GoGo婚活

理想のパートナーと一緒に暮らす日を夢見て

現実それとも…

彼から夜のドライブデートに誘われた。

行先は、彼の自宅。

我家にお泊りする彼の忘れ物を取りに行くとのことだったので、車内で待つつもりで同行したけれど、どうぞと言われお邪魔することにした。


先ずは奥様の御位牌に手を合わせる彼。続いて私も手を合わせお線香をあげさせてもらった。

まさかこんなに早くお宅に伺うことになるとは思っていなかったが、お邪魔するのは皆さんに迎え入れて頂ける様になってからにしたいという希望もあるので、今回はペットと遊ぶだけにして、家を後にした。


当たり前かもしれないけれど、彼の生活空間の中には、奥さんの遺品が沢山残されていて、これか現実なのだなあとしみじみ…彼と私が多くの時間を過ごす我が家の生活感のないリビングは、彼にとって現実ではないのだろうか?


ここには、週末毎にやってくる彼に食事の支度をする私が居て、それを美味しそうに食べ、食事の後片付けをしてくれる彼との生活が出来つつあり、彼の生活用品が1つずつ増えていっている現実もある。嘘の言えない彼の口から、自分が今まで食べた食事の中で一番美味しかったと言われることは、趣味は料理と言い続けてきた私にとって、涙が出るほど嬉しく、幸せを感じている私もいる。


彼を受け入れることは、彼の心に居る奥様と共に生きていくことと自分に言い聞かせ、スタートした私達二人のお付き合いだったが、私にとっては、まだまだ寂しい気持ちになってしまうことが沢山ある。


夜布団に入ってから、お線香を上げてくれてありがとうと言われ、やっぱり私は何年かかっても【うちのやつ】にはなれないのかもしれないなぁと感じていた。

隣に居るからね

彼が腰痛でしばらく家に滞在していた時、私は彼の前で大泣きしたことがある。


結婚している時も、離婚してからも、夫や彼氏がいても、ずっと私は一人ぼっちだった。いつも明るく元気に振舞う私は、どんな時でも大丈夫な人と周囲から思われ、それはストレスで肺炎や胃潰瘍になった時でさえ、同僚や上司から病気のキャラじゃないと言われ、痛いのを我慢して笑って「そうてすよね〜」と軽く流すふりをして、ベットの上で不安な気持ちを抱え泣いていた。


「辛い時は辛い、嬉しい時は嬉しいと言ってくれていいんだよ。隣に居るからね。」

彼にそう言われ、ずっと誰かに横にいて欲しかったと54歳の私が大泣きしたのだった。いくつになっても誰かに支えて欲しいし、よりかかりたい気持ちはあるものだったりする。

心置き無く話せること

もしかし、チューリップの財津さんて福岡の人?

そうだよ!

どおりで!

彼の口調は、財津さんように優しく、さらに喋り下手にした様な感じだということに気づいた。本来お喋りな人なのだけれど、話し上手ではない事を自覚しているか、外ではあまり話さない様にしているようだ。

デートの初日、彼から

「母親以外でこんなに話せる人に出会ったのは、初めてだ」

と言われた。その意味がよくわからず正直なところ、(元夫は、マザコンだった為)またマザコンか?!と思った。

私は仕事柄、傾聴することは得意だ。そして、解せない…と思っても反論や反撃することは無い。できる限り相手の意向に沿う範囲で、平和的な解決を目指すことが多い方だと思う。

そんなこともあり、こちらがそうでなくとも合うと思われてしまいまがちのところはあるけれど、無理を重ねると辛くなり、結果的に長くは続かない事がこれまでは多かった。


しかし彼に対しては、初日の10時間半デートに始まり、一回に会う時間が長い割には、窮屈に感じたことはない。何でも思った事が話せる心地よさを感じる日々は、本当に幸せだ。