出会いの朝
私が受け取ったとバトンは、普通よりほんの少し重めのものだった。
それでも、日々の会話は楽しく、心踊る気持ちになれる毎日となった。
そして、出会って間もなく彼から、
ドライブへでかけませんか?
とのお誘いを受けた。コロナ渦で、どんなものかとも思ったけれど、何処かのお店へ行くよりもドライブの方が安全かもしれないし、お断りをしたら後悔する様な気がして、最初にお話を始めてから9日目に急遽お会いする事となった。
待ち合わせは、彼の自宅の最寄り駅。偶然にも彼の自宅は、元夫の実家に近くで、私のよく知る町でもあった。
待ち合わせ当日、クリニックへ母の薬を取りに行く約束が最優先事項だったので、届けた後待ち合わせの駅に向かった。ところが、駅についた途端、出会って間もない人の車に乗っても良いのだろうか?という不安に襲われ、お手洗いへ。鏡の向こうの私は、緊張からほとんど寝ていなかったのが見て取れるような顔をしており、帰りたくなった。
「黒いセダンで、車の外に立っています」
と彼のラインを読み返し、外で待ってくれているのだろうなぁ…緊張感はピークに達していた。
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